東日本大震災で、リーマン・ショックから緩やかに回復していた日本経済は暗転した。2年間の経済データを振り返ると、超円高と株安に長く苦しんだ末、本格回復のきっかけをつかむには、大胆な金融緩和などを柱とする安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の登場まで待たねばならなかったことがわかる。一方で、原発停止にともなう火力発電の燃料輸入増で貿易赤字が拡大。なお震災の影も引きずる。
≪株価≫ 3営業日で1829円値下がり
震災発生から1年半余り、東京株式市場の株価は低迷を続けた。
震災当日は金曜日。取引終了までの約14分で日経平均株価は約100円急落した。週明けには日本経済を悲観した売り注文が本格化。発生から3営業日で、平均株価は1829円(17.5%)値下がりし、8600円台まで下落した。
2011年7月には債務危機がスペインなどに波及。超円高に加え、10月にはタイの大洪水で日本メーカーの工場が被災するなど、株式市場は次々に逆風に見舞われた。世界的な金融緩和で12年3月には一時1万円台を回復したが、その後も円高で株価は低迷を続けた。