こうした中で政府が経済発展著しい「有望マーケット」(井手憲文観光庁長官)として期待しているのが、東南アジアだ。
1月の訪日客(推計)はタイ(前年同月比33%増)やインドネシア(同30.3%増)、ベトナム(同38.1%増)がそれぞれ過去最高を記録。特に、タイは10カ月連続で過去最高を更新している。
同省は1月に入り、太田昭宏国交相の肝いりで、観光分野の施策を検討する「観光立国推進本部」を発足。同相は「一気に打開できるようなものはないが、観光はきめ細やかな対応が大事」と説明。3月までに訪日客に各地の温泉や東日本大震災の被災地を紹介し、国内消費を喚起してもらう案などの具体策を示すとみられる。
ただ、観光は「平和産業」(航空業界首脳)という側面もあり、国際情勢が不安定だと観光客の流動は冷え込む恐れがある。国交省としては訪日客増へ即効薬を打ち出せず、目標達成への道のりは険しい。