東京電力が計画している石炭を燃料とした火力発電所の新増設の入札をめぐり、電力業界を所管する経済産業省と地球温暖化に与える影響を懸念する環境省の意見が対立する異例の事態となっている。
環境省は経産省に対し東電の入札を延期させるよう要請。これに対し経産省は原発再稼働が進まない中で、代替電源となる火力発電の増強の必要性を訴え、環境省側の理解を得たいとしている。
茂木敏充経産相は5日の閣議後会見で、「燃料調達先の多角化などの考えから、当面は石炭火力発電が果たす役割は極めて重要だ」と指摘。今後、環境省と協議を進め、「できるだけ(東電の入札予定時期)間に合うタイミングで調整を終えたい」との方針を示した。
一方、石原伸晃環境相も5日の閣議後会見で「(東電の)事業の必要性を理解できるかどうか、事務方同士で意見交換をしている」と述べた。