観光庁、国際会議誘致への人材育成 自治体の学生インターン支援も
観光庁は7日、国際会議の誘致に向けた専門人材の育成を目的として、自治体の学生インターンシップを支援する方向で検討に入った。ビジネス目的の訪日客が多く参加する国際会議は経済波及効果が大きい一方、誘致には環境整備やプロモーションなどの戦略的な取り組みが求められる。世界的に誘致合戦が激しさを増す中、観光庁は官民一体でノウハウを身につけた人材育成を図る。
インターン先は、地方自治体や民間企業を中心に各地で組織されている国際会議の誘致組織「コンベンションビューロー(CB)」を想定。大学とCBが一体となってプログラムなどを整備する取り組みに対し、プログラムにかかる費用の一部を支援する。プログラムは、学生がCB現場の実態を体感できるよう一定期間、業務に携われるような構成にする。
来春までに支援する大学とCBなどを決定、来夏には実際のインターンを実施する。観光庁はまた学生インターン以外でも大学側と連携し、社会人講座を実施するなど他業種からの転職人材も取り込む。
国際会議は参加者1人当たりの滞在支出が通常観光の約2倍とされるほか、雇用創出効果も見込まれる。政府は1万人規模の国際会議誘致で約38億円の経済効果があると試算しており、誘致が進めば地方活性化につながると期待する。
だが国際会議の誘致合戦は熾烈(しれつ)になっている。国際会議協会(ICCA)によると、1990年代の日本は国際会議の開催件数がアジアで最多だったが、2016年は410件で中国と同数。学会や産業技術の水準が高い日本は国際会議の開催地として素養がある一方、地方では誘致や運営ノウハウを持つ人材が不足しており観光庁が対策を検討していた。
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