NY絶叫「USA!」 クリントン派「もう終わった」
米大統領選米ニューヨークのマンハッタンでは8日夜から、2人の大統領候補者の支持者たちが街に繰り出し、長い戦いの結末を見守った。共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)の支持者らが「ユー・エス・エー」の絶叫で興奮をあらわにする一方、民主党候補のヒラリー・クリントン氏(69)の支持者は愕然(がくぜん)としながら「もう終わった」。結果を見届けず、失意のうちに帰宅の途につく姿も目立った。(ニューヨーク 松浦肇、上塚真由)
ミッドタウンのビジネス街にあるヒルトン・ホテル。トランプ氏の陣営が集会を開いていたため一般人は近づけなかったが、南北を走る6番通りを挟んだ歩道では「米国を再び偉大にしよう!」と書かれたプラカードを掲げたトランプ氏の支持者たちが集まった。
途中、クリントン候補の支持者が近くに陣取り、「人種差別はやめよう」と声を上げた。リベラルな校風で知られるコロンビア大学の音楽団もトランプ氏への事実上の抗議として、ヒルトン・ホテルそばを楽器を鳴らしながら行進した。
一方のトランプ支持者は対抗する格好で、「ヒラリーを監獄に入れろ」と合唱。トランプ支持者の集まりでは「マスコミは不誠実だ」との声も上がり、近辺を取材していた外国人記者が絡まれる場面もあった。
9日未明。トランプ氏当選の報道が流れ始めると、トランプ氏の支持者らは大絶叫。「ユー・エス・エー」と気勢を上げた。
マンハッタンは民主党の金城湯池だ。アッパーウエスト地区の103丁目では、選挙ボランティアによる選挙の打ち上げ会が深夜にかけて予定されていたが「クリントン氏が敗色濃厚」との報道が流れると中止に。ボランティアたちは帰宅し始めた。近所に住んでいるというケビン・リーさんは「本当に悲しい」と目を真っ赤に腫らしていた。
一方、ニューヨーク中心部のタイムズ・スクエアでは大型スクリーンが設置され、大勢の人が開票状況を見守った。
激戦州で次々とトランプ候補の勝利が伝えられると、「もう終わった」「開票作業に問題が起きているのではないか」と、人々は次々と不安を口にした。普段は騒がしい場所として知られるが、この日は静かに開票を見守る結果となった。
クリントン氏の選挙集会に参加したブルックリンのロビン・デビッドソンさん(40)は、レズビアンでパートナーと結婚し、2人の子供もいる。「トランプ氏は同性愛カップルに理解はない。これからどんな生活が待っているのか。他人を排除する大統領に決まったことを、子供たちにどうやって説明したらいいのか…」と途方に暮れていた。
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