トランプ氏勝つ、第45代米大統領へ 米主要メディア報じる
米大統領選【ワシントン=青木伸行】米大統領選は8日、投開票され、共和党のドナルド・トランプ氏(70)が民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(69)を破り、第45代大統領に就任することが確定した。共和党はブッシュ前政権以来、8年ぶりの政権奪還。初の女性大統領誕生と民主党の3期連続政権を阻止した。
米主要メディアによると、米東部時間9日午前2時半(日本時間午後4時半)過ぎ現在、トランプ氏は50州と首都ワシントンに割り当てられた大統領選挙人(計538人)のうち、過半数270人を上回った。フロリダ州などの激戦州を軒並み押さえたことが勝敗を決定づけた。
「不動産王」の異名を取り、政治経験がないトランプ氏は、反エスタブリッシュメント(支配階層)的な存在として旋風を巻き起こしてきた。「米国を再び偉大にする」をキャッチフレーズに掲げ、既存の政治や制度、生活に不満を抱く白人の中・低所得層を基盤に無党派層などへ支持を拡大した。
一時は過去の女性に対する蔑視発言と、わいせつな行為が相次いで発覚して支持率が低下し、共和党関係者からも「不支持」の動きが出るなど、当選が危ぶまれた。しかし、クリントン氏の私用メール問題をめぐり、連邦捜査局(FBI)が投票日を目前に捜査を再開したことが追い風となり、土壇場で逆転した。
クリントン氏はオバマ大統領の「後継者」として、豊富な政治経験と知識を前面に押し出し、トランプ氏の大統領としての資質の欠如を一貫して攻撃した。だが、私用メール問題が最後まで尾を引き、大統領職への2度目の挑戦でも「ガラスの天井」を破ることができなかった。
トランプ氏は来年1月20日に就任する。
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