激戦州のトランプ氏優勢に歓声、ため息… 「歴史的な瞬間」「安心して住める国に」

米大統領選

 【ニューヨーク=上塚真由、松浦肇】米大統領選の開票作業が進んだ8日夜、トランプ、クリントン両候補の支持者らは、開票状況を固唾をのんで見守った。両候補とも地盤であるニューヨークのマンハッタンを同日夜の選挙集会の会場に選び、街は大統領選一色の雰囲気に包まれた。

 共和党候補のトランプ氏は、マンハッタンのミッドタウン地区の「ヒルトンホテル」で選挙集会を開催。多数の警官らが配置され、周辺道路は通行止めとなるなど厳戒態勢が敷かれた。

 ホテル前には、「米国を再び偉大にしよう!」と書かれたプラカードを掲げた支持者らが集まり、通行人や観光客にカメラを向けられると、「クリントン氏は不誠実だ」と口々に唱えた。

 米メディアによると、激戦州でトランプ氏が次々と勝利したことが伝えられると、会場内に集まった支持者らは大きな歓声を上げて喜びを爆発させた。

 トランプ氏は、近くの自身が保有する「トランプ・タワー」にある自宅で、家族とともに開票状況を見守ったという。

 同所を訪れていたロン・ハーバーさん(60)は「トランプ氏に投票した。政府債務が増える米国経済を心配しており、クリントン氏では解決できない」。買い物客のニッキー・エリスさん(30)も「トランプ氏を多くの人が信じている。米国は安心して住める国でなくなった」と語った。

 一方、民主党候補のクリントン氏は、ガラス張りの建物「ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センター」で集会を開催。女性の社会昇進を阻む「ガラスの天井」を破るという訴えを意識した。

 会場の外にまで大勢の支持者が集まったが、トランプ氏優勢が伝えられると、大きなため息がもれた。大学生のエイミー・キャロンさん(21)は「歴史的な瞬間を見届けたい」と語った。ノースカロライナ州の大学生、ケビン・ソロモンさん(18)は「ヒスパニック(中南米)系の投票率が高いことはクリントン氏に有利だ」と最後まで期待を寄せた。