ラオス、観光振興に注力 20年までに外国人旅行者500万人目標

 
ラオス北部の古都ルアンパバーンにある寺院。ユネスコの世界遺産に登録されている(AP)

 ラオスは観光振興に注力する。同国情報文化・観光省によると、2015年に同国を訪れた外国人旅行者数は前年比4%増の430万人だった。同国は経済成長や貧困削減を後押しする観光業の拡大を図り、20年までに外国人旅行者数500万人を目指す。現地紙ビエンチャン・タイムズなどが報じた。

 15年の観光収入は6億7000万ドル(約729億円)に達したとされ、11年の4億ドルから約1.7倍に増加した。15年に同国を訪れた外国人旅行者数の内訳をみると、全体の7割がタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)域内からで、残りの3割が欧州や米国、日本などだった。

 同省幹部は、外国人旅行者誘致を図るには、国外に向けラオスの観光情報発信を強化する必要があると指摘する。

 政府官僚の多くは国外での会議に出席した際に「ラオスはどこにあるのか?」と聞かれるなど、同国は国外での観光宣伝キャンペーンが不十分だとされる。今後、国外での観光フェアへの参加やASEAN各国の観光関連ウェブサイトと連携するなど、ラオスの魅力をさらにアピールしていくと同省幹部は意欲をみせた。

 また、世界的に人気が高まっているエコツーリズムの整備を進めるなど観光関連インフラや宿泊施設の充実などを図る方針だ。高所得者層の旅行者誘致や同国での旅行者の滞在日数を増加させ、観光収入増を目指す。

 ラオスは今年、ASEAN議長国を務めており、国際会議なども予定されている。情報文化・観光省幹部は、域内だけでなく、欧米をはじめ世界中からの要人来訪に伴い同国の周知度が高まると期待を示した。(シンガポール支局)