閣僚の横顔(下)「和製クルーニー」「アイドルにも詳しい」「地味なドン」

【第3次安倍改造内閣】
■「河野洋平氏の息子」 河野太郎・行政改革担当相
政治家一族の3代目。祖父は河野一郎元農相、父は河野洋平元衆院議長。平成8年の小選挙区比例代表並立制の導入に伴い、洋平氏の選挙区が分割されたため、サラリーマンから転身して立候補し初当選。14年にはC型肝炎が悪化した洋平氏の生体肝移植のドナー(提供者)に。野党時代の21年、党総裁選に挑戦し谷垣禎一氏に敗れた。歯にきぬ着せぬ言動で自民党の“異端児”として知られる。
■「政務官として竹島の日式典に出席」 島尻安伊子・沖縄北方担当相
第2次安倍内閣で内閣府政務官兼復興政務官。島根県主催の「竹島の日」記念式典に政府関係者として初めて出席した。宮城県出身。結婚を機に沖縄県に移り、平成19年の参院補選で初当選。22年の参院選で公約に掲げた米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を再選後に翻し、地元から批判を浴びたことがある。釣りが趣味。女性ならではの存在感をどこまで発揮できるか。
■「和製ジョージ・クルーニー(本人談)」 甘利明・経済再生担当相
日本経済再生本部と経済財政諮問会議のまとめ役のほか、戦略的経済連携協定(TPP)交渉を大筋合意に導くなど、首相の経済政策「アベノミクス」の司令塔を担う。TPP交渉では米国から「タフネゴシエーター」と畏怖(いふ)された。白髪が増えたのは染めるのをやめたためだが、本人は「和製ジョージ・クルーニー」と気に入っている。「ポスト安倍」となるには、党内の足掛かりにやや欠ける。
■「家庭でも女性活躍実践」 加藤勝信・1億総活躍担当相
第2次政権発足以降、官房副長官として安倍晋三首相を支えてきた。昨年5月には初代内閣人事局長に就任し、霞が関の官僚ににらみをきかせる役回りも演じた。元大蔵省のキャリア官僚で、義父は首相の父、晋太郎元外相の最側近で「安倍派四天王」と呼ばれた故加藤六月元農林水産相。家庭では娘4人の父親として、首相が掲げる「女性の輝く社会の実現」を身をもって実践している。
■「アイドル事情にも詳しい」 石破茂・地方創生担当相
安倍晋三首相の自民党総裁任期が切れる3年後の“ポスト安倍”の最右翼。幹事長時代に「脱派閥」を掲げた党改革を打ち出したが、自らの党内基盤を固めるため9月28日に「水月会」(石破派)を旗揚げした。地方創生担当相として地方の立て直しに奔走してきたが、安全保障や農林水産行政にも精通している。自他ともに認める軍事、鉄道オタク。酒豪でアイドル事情にも詳しい。
■「地味な山形のドン」 遠藤利明・五輪相
中央大でラグビー選手だった経験から文部科学畑を歩み、6月に2020年東京五輪・パラリンピックに向けた担当相に就任。新国立競技場の整備計画見直しに関する責任者となり、原案から総工費を2000億円近く削減した新計画を策定した。自民党の谷垣禎一幹事長の側近で、与野党に幅広い人脈を持つ。地味な風貌だが、最近は地元で「山形のドン」と呼ばれるまでになった。=おわり
関連記事