【木下隆之の試乗スケッチ】ジムニー スズキが誇る唯一無二の軽4WDが進化 オンも快適 (2/3ページ)

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◆奇を衒わず、時代に迎合せず

 だというのに、ジムニーは平均して16年も同じモデルを販売してきた。改良を続けてきたことで時代に遅れずにきた結果ではあるものの、驚異的なロングライフである。

 それでもずっと、売れ続けてきた。3代目のデビューでは10万台を超えたものの、今でも世界194カ国で5万台を売るというから化け物である。累計では285万台を達成しているというのだ。

 驚くほどのロングライフなのは、奇を衒わず、時代に迎合せず、自らの信念を貫いてきたからに他ならない。そしてジムニーは、唯一無二の存在だからであろう。

 基本は軽自動車である。本格的なラダーフレームを採用している。660ccターボのエンジンを縦置きに搭載。システムはパートタイム4WD。あえて独立懸架サスペンションを否定し、3リンクリジットとしているのだ。それはロードクリアランスを稼ぐためである。

◆ジムニーがないと困る人たち

 というように、無骨なまでに本格的オフロード性能にこだわってきたことが、長い間支持されてきた証なのだ。法人需要はもちろんのこと、小規模商店などに愛用されているという。林業を始め、降雪地帯の郵便配達に重宝がられているという。

 四輪駆動のモデルはジムニーだけではないが、本格的なオフロード性能を持ち、コンパクトなサイズであることはまさに同じもののない存在であり、ジムニーでしかこなせない仕事があるのだ。ちょっと大袈裟に言えば、ジムニーがなかったら生活に困る人がたくさんいるのである。だからこれまで長く支持されてきたのである。

進化したことも忘れてはならない