来年50歳を迎える東海道新幹線で、今月から開業以来最大規模の改修工事が始まった。老朽化を食い止める「若返り工事」で、あと100~150年は寿命が延びるという。
過去10年間に培った研究成果をもとに、JR東海は世界で唯一の技術を盛り込む。加えて列車を平常通り運行しながら大規模補修に挑むという過去に例のない取り組みだ。世界最年長の高速鉄道・東海道新幹線で行われる「アンチエイジング」の効果のほどは。
史上最大の作戦
琵琶湖を臨む大津市瀬田。「新幹線史上最大」(JR東海)の若返り作戦は、この地に立つコンクリート高架橋から始まった。
地響きを立てて通過する新幹線を支える高架橋を見上げると、数十メートルにわたって、土台部分が真新しい鋼板で覆われている。柱にも鋼板が巻かれているほか、側面の防音壁も一新されていることが分かる。