夏帆そっくりの「美貌」京都党新代表・江村市議の素顔…人前が苦手、酒で記憶なくなる

 
産経新聞のインタビューに応じる京都党代表の江村理紗市議。笑顔はあの女優にそっくり?=2月24日、京都市役所(志儀駒貴撮影)

 地域政党「京都党」代表に2月、インターネット上で「美貌」が話題になっている女性の京都市議が就任した。2期目の江村理紗市議(30)。2月7日に投開票され、非共産系の現職が3選を果たした京都市長選で、京都党は候補者擁立をめぐって党内騒動が勃発。いったん立候補を検討しながら断念した党の創設者で村山祥栄(しょうえい)市議(38)が代表辞任に追い込まれた。江村氏は「党の顔」でもあった村山氏の後任だ。一体、どんな人物なのか。女優の夏帆さんそっくりの容姿だけでなく、政治手腕でも注目を集めることができるか。江村氏は産経新聞の独占インタビューに応じ、政治家になった経緯や今後の目標、さらに趣味、好きなお酒まで語ってくれた。(塩山敏之)

 大学時代から政治を勉強

 江村氏は京都市出身。政治に興味を持ったのは高校生のときのことだという。

 「マニフェストができてきたころ。数値目標を示して、約束する責任政治を果たすというところが表に出てきたので、日本の政治が変わるのではないかと興味を持ちました」

 政治の勉強をしようと、同志社大に新設された政策学部に進学。法律や経済、政治に関して横断的に学問として学ぶが、それより、現場の政治を勉強したいと思い、2回生のときに京都党設立前の村山氏のもとでインターンシップに参加した。

 「村山学生部というのがあって、当時20~30人ぐらいいました。不祥事の現場調査や実態把握にかかわり、そのときに実態に驚いた。そこから京都市のために働くことに意識が向いていきましたね」

 平成20年、大学卒業後は東京にある自動車部品の商社に就職し、商品開発を担当した。

 「仕事内容は楽しかったけど、何のために仕事をするかと考えたときに、京都のために仕事がしたいというのが強くあって…。働いてからも何のためにというのが大事だったので、京都で政治家を目指そうと考えました」

 そして23年4月、市議選(右京区)に立候補して初当選し、現在2期目。市議になって5年だ。

 「言葉が出なかった…」

 さて、京都党で勃発した“お家騒動”を振り返る。

 共産対非共産の構図が定番となっている京都市長選。2月7日に投開票された今回も事実上、共産推薦候補と非共産系の現職の対決になった。選挙戦は現職がダブルスコアで勝利したが、京都党から候補者を擁立していれば、混戦になった可能性もある。

 「京都党がどれぐらい票をとれたのか、と思うことはありますが、数字化はできません。現職の当選は、2期8年とマニフェストが市民から評価された結果だと思うので、それを受け止めたい」と江村氏。

 市長選候補者は複数いたといい、村山氏ありきではなかった。「市民に新しい選択肢を示したいと思っていました」と語る。

 ただ、市議会での京都党の立場が判断にも影響を与えたようだ。京都党は昨春の統一地方選・京都市議会で5議席を獲得し、議会での発言権を持つ「交渉会派」の立場を手に入れていた。村山氏が立候補すれば議席が減って交渉会派でなくなるため、立候補には賛成の声ばかりではなかったという。

 「期待する声と、交渉会派になったのを捨ててまで挑むのは危険なのでは、といった意見がありました。選挙まで準備期間がなく、支援者幹部の方から『間に合わない』という声もありました。村山氏自身も悩んだと思います」

 結局、村山氏は昨年12月末に立候補断念を決め、代表を辞任することになった。「村山氏は『自分の判断が混乱の引き金になっていると思うので辞任する』と。周りの人間は言葉が出ませんでした」

 背中押され、腹くくる

 その後の今年1月、候補者擁立をめぐる意見対立もあり、党所属議員の一人、山集(やまず)麻衣子市議(34)が離党。結局、所属議員は4人になり、交渉会派の資格を失った。「1年も経たずに交渉会派でなくなったのは、支援者のみなさんに申し訳ないと思っています」

 そして村山氏の代表辞任に伴い新代表に、と白羽の矢が立ったのだ。

 「1月の半ばごろに代表にという声がありました。最初はちょっと勘弁してくださいという状態でした。そんな大役は2期目の身で、受けるにはあまりに重責なのでかなり渋っていました。それでも支援者や党の顧問陣らから背中を押されました。支援者に心配をかけ続けることがよくないと思い、腹をくくってやろうという気持ちになりました」

 今後、党の代表として、どうやって舵取りをしていくのだろうか。

 しがらみのない是々非々▽将来に責任を持つために持続可能な街づくり▽市民感覚の政治-という3つのポイントを市民にもっと知ってもらう努力が必要だと強調した上で、こう語る。

 「市民に地方政治の動きの臨場感をどこまで感じていただけるかが議会人の役目。そのためにも広報的な部分も、もっと力を入れていきたい」

 22年の結党当初から2ケタの議席を目指そうという目標があったという京都党。現有の議席を守りつつ、視線の先には10議席を目指したいという。

 お酒は焼酎好き

 代表に就任した江村氏。素顔はどんな女性なのだろうか。

 ホームページのプロフィルによると、趣味は映画鑑賞、読書、日記。好きな映画は「ライフ・イズ・ビューティフル」「50回目のファーストキス」「のぼうの城」。特技は、書道(毛筆)6段-とある。

 インタビューでは、新しい趣味として昨年からテニスに通い始めたことを話してくれたが、今は「ほとんど行けていない」とか。普段は休みもほとんどなく、「普通の1カ月で考えると半日休めればいいほう」。

 実は、政治家でありながら人前に出るのが苦手で、性格は「慎重で怖がり」と自己分析する。

 「本会議場では、鳥肌が立って意識を失うほど緊張しました」

 お酒は焼酎好き。「党のメンバーと飲んだりするので、いろいろ教えてもらったりしながら情報交換していますが、帰りのタクシーに乗るまでは平静を保っていて…。その後の記憶がないこともありますよ」と微笑んだ。