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春闘要求出そろう 電機はベア3000円 遠のく賃上げ 市場急変で慎重姿勢 (1/5ページ)

2016.2.19 08:30

日立製作所の担当役員、中畑英信常務(左)に要求書を手渡す日立労組の坂本達哉委員長=2016年2月18日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)

日立製作所の担当役員、中畑英信常務(左)に要求書を手渡す日立労組の坂本達哉委員長=2016年2月18日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)【拡大】

 2016年春闘は18日、相場を牽引(けんいん)する主要製造業の労働組合の要求が出そろった。

 賃金水準引き上げにつながるベースアップ(ベア)は、景気不安を背景に自動車、電機が月額3000円、鉄鋼は4000円を要求。警戒を強める経営側も抑制姿勢を強めており、電機の妥結額は1000円をめぐる攻防が見込まれる。3年連続でベアを確保するものの、前年の妥結額を下回る低水準となるのは確実だ。ボーナスや手当を含めた年収ベースの上積みが幅広い業種に広がるかは不透明だ。

 中国経済の減速や原油価格の下落に加えて米国経済への不安が強まり、年明け以降は円高株安が急速に進行し企業業績の懸念が高まっている。安倍政権が3年連続で賃上げを求める「官製春闘」が続くが、デフレ脱却には力不足の結果となるのは避けられない見通しだ。各社は3月16日に組合へ回答を一斉に示す。

 安倍晋三首相(61)は18日の経済財政諮問会議で、好業績の企業には「ぜひとも昨年を上回る賃上げを実現していただきたい」と述べた。

 電機大手の日立製作所、パナソニックなどは18日、相次いで要求書を経営側に提出した。ベア3000円の要求は、6000円だった15年要求の半分となる。15年の妥結額は3000円となっており、今年満額回答を得られない限り前年割れとなる。

世界的な鋼材価格の下落

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