東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議が21日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれ、経済協力とともに、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題について協議した。
安倍晋三首相は、南シナ海での岩礁埋め立てや滑走路建設などによる軍事拠点化の可能性を指摘し、「現状を変更し、緊張を高める一方的行為が継続していることを深刻に懸念する」と表明。名指しを避けつつ、中国の高圧的な海洋進出を批判した。
安倍首相は「開かれた自由で平和な海を守るため、国際社会の連携が重要だ」と訴える。領有権を争う当事者国の平和的解決に向けた3原則として、(1)国際法に基づく主張(2)力や威圧を用いない(3)紛争解決は平和的収拾を徹底-を提案。中国に自制を促す戦略をとった。
このほか首脳会談は、日中韓首脳会談が開かれたことを踏まえ、ASEANプラス3による協力推進を確認。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉推進や経済危機の際に資金を融通しあう通貨交換協定「チェンマイ・イニシアチブ」の機能を充実させる。(クアラルンプール 坂本一之/SANKEI EXPRESS)