【和のスタイル】
週刊誌のお仕事の挿絵で春画を描きました。あそこの部分は、春画の手前に観賞している女性の後ろ姿を描いて隠しました。先週その号が届きましたのでさっそく開いてみますと、日本初「春画展」に関する記事がたくさんありました。こじつけのような解釈から、なるほどと思わせる説まで盛りだくさんです。春画が厄よけのお守りになるという説は、春画でもうけようとしている人たちが仕掛けたような気がして腑に落ちませんでしたが、現代の女性が見たときにいやらしくなくおしゃれに見えるというお話は確かにそうだと思いました。
多くが黄金比で構成
先日、少し前のハーパース・バザーでナオミ・キャンベルのインタビューを見つけました。スーパーモデルの彼女は、ヌードはシックにもなり得ると信じヌード撮影も引き受けてきましたが、卑猥(ひわい)と紙一重だから気をつけたいと語っていました。春画も同じように、卑猥さを感じさせないのでシックでおしゃれに見えるのでしょう。そのような絵や写真は、人間の目にとって美的快感といわれる黄金比で構成されていることが多いです。ゴミだけを集めても美しく見せてしまいます。機会がありましたらぜひ、ヴォルフガング・ティルマンスの写真を見てください。そのことを証明するのに一番分かりやすい写真家だと思います。