もう一人の「反乱」
トランプ氏と同じように世論調査で好調なのが政治経験のないカーソン氏だ。貧困層から医師になった黒人のカーソン氏は、頭部が結合した双生児の分離手術に成功するなどして有名になった。とつとつと諭すような穏やかな語り口はトランプ氏とは対照的で、宗教保守層などから好感されている。
このところ、世論調査でブッシュ氏を抑えてトランプ氏に次ぐ2位を占め、共和党候補を決める来年の予備選・党員集会で初戦となるアイオワ州ではトランプ氏と並ぶ支持を受ける。
モンマス大調査では好感度は69%で、トランプ氏の59%、ブッシュ氏の41%を上回る。候補がトランプ氏との2人に絞られた場合、トランプ氏を上回る支持を受けられるのはカーソン氏だけだということも分かった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは「ベン・カーソンの反乱」と題した社説で「共和党の有権者はあらゆるやり方でワシントンや政治家にはうんざりさせられていると表現してきたが、怒れる大統領候補を欲しているわけではない」とし、カーソン氏の「静かな台頭」に注目すべきだとしている。