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【佐藤優の地球を斬る】対露外交 得点狙う安倍首相に不安 (1/3ページ)

2015.7.11 09:00

新興5カ国によるBRICs首脳会議に臨むウラジーミル・プーチン露大統領。訪日を実現し、G8(主要8カ国)への復帰を狙っているようにもみえる=2015年7月9日、ロシア連邦・バシコルトスタン共和国ウファ(ロイター)

新興5カ国によるBRICs首脳会議に臨むウラジーミル・プーチン露大統領。訪日を実現し、G8(主要8カ国)への復帰を狙っているようにもみえる=2015年7月9日、ロシア連邦・バシコルトスタン共和国ウファ(ロイター)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 水面下で日露関係が動き始めている。きっかけは、6月24日夜、安倍晋三首相がロシアのプーチン大統領にかけた電話だ。約30分の電話会談で、安倍首相は、<プーチン氏が年内に来日する方針を確認した。ウクライナ情勢に関して欧米と歩調をあわせる安倍首相は、ロシアが平和的、外交的な解決に向け、停戦合意の完全履行など建設的な役割を果たすよう要請した>(6月24日「産経ニュース」)

 7月になって、クレムリン(ロシア大統領府)から、興味深い情報が流れてきた。ポイントは4点になる。

 (1)プーチン氏は、安倍首相が電話をかけてきたことを、日露関係正常化に向けたステップとして高く評価している。安倍首相に対するプーチン氏の個人的信頼感は一層強化された。

 (2)会談後、プーチン氏は訪日準備を行うとの方針を確定し、ロシア外務省に対して「日本外務省と協議せよ」と指示した。

 (3)クレムリンでも訪日の時期とテーマに関する協議が始まった。関係省庁に対する資料要求も行われている。クレムリンは10月末から11月初頭のプーチン氏訪日を考えているが、具体的日程については日本側の提案を待っている。

 (4)訪日では合意文書を作成しなくてはならない。経済的、政治的成果として何が達成されるか、またクリル諸島(北方領土)をめぐる交渉でどのような展望を見いだせるかが、現時点ではまったく明らかになっていない。

プーチン氏訪日の狙い

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