ウクライナのポロシェンコ政権は、ロシアとの関係を改善する意思がないようだ。それは、5月30日、オデッサ州知事にジョージア(グルジア)のサーカシビリ前大統領を任命したことからも明らかだ。
オデッサ州知事に急先鋒
<【モスクワ=遠藤良介】ウクライナのポロシェンコ大統領は30日、ジョージア(グルジア)前大統領のサーカシビリ氏にウクライナ国籍を付与し、同氏を南部オデッサ州の知事に任命する大統領令に署名した。
オデッサ州では親ロシア派が根強く、ポロシェンコ政権は反露姿勢の鮮明なサーカシビリ氏の起用で抑え込みを図る狙いとみられる。ただ、外国の元国家指導者を地方首長に据える異例の人事には、現地の親露派だけでなく、親政権派からの反発を予測する見方もある。
サーカシビリ氏は2004~13年にジョージア大統領を務めた。急進的親欧米派として汚職対策などを評価された一方、08年のロシアとの軍事衝突では開戦責任を問う声が出た。
ジョージアでは職権乱用罪などで訴追されており、事実上の国外亡命中。今年2月からポロシェンコ大統領の顧問を務めていた>