二神君は高台の避難所に着くと、友達と山を眺めながら「怖いなあ」「これからどうなるのかな」と不安になった。「お母さん、早く来て」と涙を流す女児も。金岳小・中の図書司書補、永田和子さん(57)は「大丈夫だから、心配しないで」と背中をさすった。島にいた137人のうち約120人が、火口から約4キロ離れた番屋ケ峰の避難所に一時避難した。全島に避難勧告が発令されたのは午前10時15分。5分後に避難指示に切り替えられた。
このため、住民らは町営の「フェリー太陽」で島外に避難することになった。フェリーの定員は100人だが、噴火時の全島避難に備え、町と国交省が数日前から150人に増員できるよう話し合い、スムーズに増員手続きが行われた。
避難所では午後1時を回ったころ、「午後3時に港を出ますから」と消防団員の声がした。児童と保護者らは荷物をまとめ、港に急いだ。125人がフェリーで午後3時40分ごろに島を離れ、午後5時半ごろに屋久島に到着した。
避難生活、長期化も
二神君ら児童・生徒は今後も友達と一緒にまた勉強できるか心配している。町教育委員会によると、避難した子供たちは屋久島の小、中学校にしばらく通うことになるという。