音楽の殿堂と言えるライブ会場は、いくつかある。まず思いつくのは日本武道館。初めてライブを行ったアーティストがザ・ビートルズだったこともあり、多くのアーティストにとって憧れの存在になっている。そんな武道館と比肩して遜色のない会場と言えば、1923年に開設された日本初の本格的な野外音楽堂、日比谷公園大音楽堂(通称:野音)だ。
野音は、さまざまな伝説を目撃してきた。69年の「ニューロック・ジャム・コンサート」は、アメリカのウッドストックフェスを受けて開催された日本の野外フェスの原点といえるイベント。自らをニューロックと呼び、グループサウンズの時代に終止符を打ったこのイベントによって、野音はロックの聖地として認識されるようになったといわれている。
野音の特徴は都会のど真ん中で野外フェスの感覚を味わうことができる解放感。いつも聴いている曲がより一層気持ち良く感じられるし、空を見上げると、音楽が天に向かってどこまでも突き抜けていくのが見える気がする。とにかく、野音でしか味わえない音楽体験があるのだ。