全国の企業や官公庁が1日、入社式や入庁式を開き、厳しい就職活動を乗り越えた若者たちが社会人の仲間入りをした。
東日本大震災の被災路線が昨年4月に全線再開した岩手県の三陸鉄道の入社式では、震災で自宅が全壊した金森太我さん(18)が「沿岸の復興に貢献したい」とあいさつした。
免震装置のゴムのデータ改竄(かいざん)問題で揺れる東洋ゴム工業の山本卓司社長は入社式で「人生の門出に会社がこのような状態で、大変申し訳ない気持ちだ」。大阪市の橋下徹市長は5月に実施される「大阪都構想」の住民投票に触れ「役所の姿が変わっても、住民のために働くことに変わりはない」と激励した。東京都の「入都式」では舛添(ますぞえ)要一知事が「2020年五輪は、歴史に残る大きな仕事。必ず成功させるために準備を進めよう」と述べた。
今春闘では大手企業を中心に、2年連続でベースアップが相次ぎ、就職内定率も改善傾向だ。ただ、中小企業や非正規の労働者にも待遇改善が広がるかは見通せず、景気の先行きには不透明感も漂う。