父娘の対立、法廷でも
「こんな騒動があってはならない。企業価値が壊れるだけだ」「一族の醜態だ。会社は一族のものではない」。
この日の総会は一般の株主からこうした厳しい声が相次いだ。
ただ、両者の争いは今後も続く見通しだ。
勝久氏は久美子社長が支配する資産管理会社をめぐって民事訴訟を起こしており、父娘の対立は法廷でも行われる。
勝久氏は総会前の産経新聞の単独インタビューで「今回負けても、次の総会で株主提案をしていく」と明言。一方、久美子氏は「(株主)安定化のための施策をとる」と、勝久氏の持ち株比率を下げるため第三者割当増資などを打ち出す構えをみせる。
しかし、争いの長期化は企業イメージを悪化させ、既存店売上高のマイナスが続く苦境を、さらにひどくしかねない。また、増資は株を希薄化させ、既存株主の利益を損なう。
SMBCフレンド調査センターの田中俊上席主任研究員は「今回の大塚家具の問題は、創業者トップからの後継者への事業継承が難しいことを改めて示した」と指摘する。