まずレッドメインは専門家を雇い、チームを作った。メークアップアーティスト、衣装デザイナー、ボーカルコーチはもちろんのこと、ホーキング博士の動作を学ぶための振付師らだ。撮影の約3カ月前からは、神経細胞の変性を起こす運動ニューロン病(MND)の医師と連絡を取り、病院で40人ものMND患者を取材し、彼らの動き、表情、考え方を実地で学んだそうだ。
英国人のホーキング博士がアメリカ英語を話す理由については、出演が決まるまで考えもしなかった。彼の“肉声”を紡ぎ出すコンピューターは、アメリカ英語で語るように設計されているのがその理由。「博士の声があまりにも彼のアイコンとマッチしていて、本人も設定を変更したいと思ったことがないようです。僕たちもこれこそが博士の新しいID(身元証明)、声のIDだと思っています」。13日、全国公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)