「四季」や「G線上のアリア」、「オンブラ・マイ・フ」などの名曲を一度は耳にしたことがあるはず。月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック4月号」は「『四季』とバロック音楽 ヴィヴァルディ バッハ ヘンデル」を特集、バロック音楽の魅力を探っている。
ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲集「四季」は、1725年に出版された「和声と創意への試み」と題する作品8の第1曲から第4曲までの4曲。「春」「夏」「秋」「冬」と標題があり、それぞれは3楽章で、ソネット(14行詩)が付けられている。
「春」の詩の冒頭は「春が来た。小鳥たちはうれしそうに歌い、春にあいさつする。西風のやさしい息吹に、泉はやさしくざわめきながら流れ出す」。イタリアと日本の季節感の違いはあるが、確かに四季を感じさせるメロディーが日本人をとりこにした。
自分流のおもしろさ
日本でバロック音楽に目を向けるようになったきっかけの一つが「四季」の流行。イタリアのイ・ムジチ合奏団は1955年にはじめて「四季」を録音。同じ時期にカール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管も録音している。