米映画界最高の栄誉とされる第87回アカデミー賞の授賞式が22日(日本時間23日)、米ハリウッドで行われ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(51)の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が作品賞を受賞した。今回のアカデミー賞はノミネートの段階で主演男優・女優、助演男優・女優の各賞候補が全て白人だったため、米国の人種的多様性を反映していないという非難が授賞式前から出ていた。黒人差別解消などを目指した1950~60年代の米公民権運動を扱った「セルマ(原題)」が主要賞で唯一、作品賞にノミネートされていたが、結局受賞を逃し、最後までこうした批判を覆せなかった。
作品賞に「バードマン」
メキシコ人であるイニャリトゥ監督は作品賞に加え、監督賞なども受賞。舞台でオスカー像を手に「この賞を、私の仲間であるメキシコ人にささげたい」と訴えた。ただ、これも監督一流の皮肉だったようで、「多分、米政府は来年のアカデミー賞で移民(を規制する)ルールを作るだろう。2年連続でメキシコ人が監督賞を獲るなんて怪しいだろ?」と冗談を飛ばした。