イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に拘束されていた後藤健二さん(47)がイスラム国支配地域に向かう前まで同行していたシリア人ガイドの男性、アラアッディーン・ザイムさん(34)が日本政府関係者の事情聴取に応じ、「(後藤さんは)別のガイドと同行後、行方不明になった」などと説明していることが2日、分かった。この別のガイドは地元でもガイドとしての実績が「謎」とされる人物で、日本の警察当局は事情聴取の可能性を探っている。一方、「人質交換」交渉でイスラム国が真剣さや誠実さに欠けたため交渉が実現しなかった内幕がヨルダン政府関係者の話で明らかになった。
日本政府が話を聞いたザイムさんは後藤さんの8回にわたるシリア内戦取材にいずれも同行。昨年10月2日からのシリア取材にも帯同し、その様子は民放番組にも使われた。だが10月23日、後藤さんが再度訪れ、「イスラム国を取材したい。湯川遥菜(はるな)さんを助けたい」と相談したとき、「あまりに危険だ」と初めて同行を断った。