フランス公共ラジオなどによると、ヨルダン軍報道官は30日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が拘束しているヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉(26)の生存を確認できる証拠はまだ提示されていないと明らかにした。イスラム国は29日の日没(日本時間29日深夜)までにサジダ・リシャウィ死刑囚(ヨルダンで収監中)をトルコ国境に移送するよう求めてきたが、ヨルダン側は中尉の生存が確認できないとして日没までに出国させていない。一方、イスラム国の支持者らが人質事件を取材する日本人記者を狙った誘拐事件を画策している恐れがあることが判明。日本外務省は30日、トルコ南部で取材をしている報道各社の記者らに対し、滞在を控えるよう求める注意喚起を出した。
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外務省は「不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険」としており、事実上の取材自粛要請といえる。外務省によると、日本人記者らがトルコ南部に集結しているとの情報をイスラム国の関係者が把握し、拘束や危害を及ぼすおそれがあるとしている。
地元トルコや日本、欧米の報道陣数十人は29日、後藤健二さん(47)解放の可能性があるとみて、シリアのイスラム国支配地域の「正面玄関」で、過去に人質交換が行われたトルコ南部のアクチャカレ国境検問所の前に集結した。