王妃ガートルード役の鳳蘭(68)とも女性同士、通じ合える部分があると、よく話をしているとか。そんな演劇の原点のような稽古の過程が大好きだ。「私は本当に芝居が好きなんだと思います。演じる役柄が乗り移るというか自分の一部になって。終わったら自分の中でその場所がなくなって穴があいちゃう」と、役柄には楽しみながらのめり込む。
日本らしさも意識
国内公演の後、3月には台湾、5月にはロンドンの名門劇場、バービカン・シアターでの公演がそれぞれ控えている。特にロンドンはシェークスピア演劇の本場。藤原は「英国の人が歌舞伎座を作って歌舞伎をやるようなもので、『のるかそるか』の大勝負」と気を引き締める。セットには明治を思わせる長屋を使うなど、日本らしさも意識している「新ハムレット」は、目の肥えた英国人にどう映るのか。藤原にとっても、満島にとっても、そして蜷川にとっても大きな区切りとなる。(文:藤沢志穂子/撮影:大西正純/SANKEI EXPRESS)