【ソーシャル・イノベーションの現場から】
突出した能力を持ちながら現状の教育環境になじめず不登校傾向にある小中学生を選抜し、将来の日本をリードする人材を養成しようという「異才発掘プロジェクト(ROCKET)」が10日にスタートした。このプロジェクトは、東京大学先端科学技術研究センターと日本財団が共同で実施するもので、約600人の応募者の中から書類選考と面接で選ばれた15人が、東京大学での初回の講義に臨んだ。
学校になじめぬ子供たち
現在、全国の小中学校で、約12万人の児童生徒が不登校状態にあるといわれている。本格的に分析したデータはないが、この中に突出した才能を持ちながらも学校になじむことができず、不登校になっている子供たちがいるはずだ。少なくとも応募者の多くは高い能力があるのに、「集団生活が苦手」「コミュニケーションができない」「興味のあることしか集中できない」「字を書くことが困難」といった理由で学校生活に適応できないでいた。
天才の代名詞であるエジソンもその突き抜けた好奇心が故に、先生を質問攻めにし授業の進行を妨げ、わずか3カ月で小学校を退学になってしまったという有名な逸話がある。学校に代わってエジソンに勉強を教えたのは、母のナンシーだった。ナンシーはエジソンの疑問や好奇心に徹底的に応え、ユニークな才能を伸ばすことに注力し、偉大な発明家の基礎を作り上げたといわれている。