最高峰の山に一大拠点
こうした証言は誇張ではない。多言語メディア、エポック・タイムズ(大紀元、電子版)は、軍事誌の衛星画像情報などを基に、中国軍が香港最高峰の大帽山(たいもうさん、標高957メートル)に、香港の住民の電話での通話や電子メール、無線LANの電波などを傍受する一大盗聴拠点を造り、2011年から稼働させていると報道。盗聴拠点は敷地面積約93アールで、民間航空会社のレーダー局より大型の直径15メートルの円形レーダーを備え、約50人の中国兵が周辺を警備しているが、香港政府は公の存在として確認していないとしている。
こうした中国側のスパイ活動は、サイバー空間だけの話ではない。12月15日付ロイター通信によると、民主化運動を支援する香港民主党の●(=さんずいに余)謹申(ジェームス・トゥ)議員は今年8月、ほぼ毎日、銀色のベンツ2台に尾行された。彼が通勤先の行政機関「香港特別行政区立法会」に着くと、2台のベンツは近くの公園で彼を待ち続けた。