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【安倍政権考】北との拉致交渉 政府内に不協和音 (1/3ページ)

2014.11.17 19:10

北朝鮮の徐大河(ソ・デハ)・特別調査委員長(左端)との協議に臨む外務省の伊原純一アジア大洋州局長(右端)=2014年10月28日、北朝鮮・首都平壌市(共同)

北朝鮮の徐大河(ソ・デハ)・特別調査委員長(左端)との協議に臨む外務省の伊原純一アジア大洋州局長(右端)=2014年10月28日、北朝鮮・首都平壌市(共同)【拡大】

  • 政府が認定する安否不明の拉致被害者(「死亡」「未入国」は北朝鮮の発表・回答)。※拉致被害者の項目は、氏名、当時の年齢、北朝鮮発表の順
  • 拉致問題を啓発するポスター。1977(昭和52)年1月に新潟県新潟市の自宅前で撮影された横田めぐみさんの写真が使用されている
  • 5月28日、首都ストックホルムで行われた3日目の日朝外務省局長級協議を終え、記者団に囲まれる北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使。翌29日、北朝鮮はすべての拉致被害者の再調査を約束した=2014年、スウェーデン(ロイター)
  • 【拉致再調査】北朝鮮の特別調査委員会の構成=2014年10月28日現在
  • 拉致被害者、増元(ますもと)るみ子さん=拉致当時(24)=の弟で、家族会事務局長の照明さん=2014年5月30日、東京都千代田区(財満朝則撮影)
  • 政府の説明を聞くの飯塚繁雄代表(右)、横田早紀江さん(右から3人目)ら拉致被害者家族会のメンバー=2014年9月19日午後、東京都千代田区の内閣府(三尾郁恵撮影)
  • 金正恩(キム・ジョンウン)氏と張成沢(チャン・ソンテク)氏の関係=2013年12月13日、※敬称略。写真は聯合ニュースなど
  • 北朝鮮・首都平壌市

 拉致被害者らを再調査する北朝鮮の特別調査委員会が7月上旬に設置されてから4カ月が経過した。この間、北朝鮮は「夏の終わりから秋の初め」で合意していた初回報告を先送りした。さらにマスコミを通じた水面下のプロパガンダ(宣伝)工作で拉致被害者の帰国が難しいことを指摘したり安倍晋三首相の学歴を揶揄(やゆ)したりとやりたい放題だ。政府内にも秘密交渉に徹する外務省の独走で不協和音が生じつつあり、一丸となって北朝鮮に挑む体勢作りが急務となっている。

 官邸は怒り爆発

 外務省は先月末の政府代表団の平壌派遣にあたり、綿密な事前打ち合わせを実施。政府関係者によると、調査委員長の徐大河(ソデハ)国家安全保衛部副部長を名乗った偽者が出てきた際の対応も協議された。政府は事前に徐氏の顔など個人情報を把握していたが、北朝鮮が日本政府の力量を試すことを危惧していたのだ。

 「日本人全ての問題を解決したい」

 腹の底から出る徐氏の野太い声が部屋に響き渡った。本物だった。不安は杞憂(きゆう)に終わったが「全てを疑う」(日朝関係者)ことから平壌派遣の事前準備が始まったという。

日本は「交渉というよりは演説だ」

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