自動車レースの最高峰、F1シリーズのブラジルグランプリ(GP)が開幕(9日決勝)した7日(日本時間8日)、深刻な財政難によって前週の米国GPから参戦できない状態に陥っていたマルシャがチームの解散を発表した。一方、同じく資金不足で2大会続けて欠場した、小林可夢偉(かむい)選手(28)が所属するケータハムは、今季最終戦のアブダビGP(23日決勝)への参戦実現に向け、一般からの募金活動を開始した。かつて「不況知らずのスポーツ」とも呼ばれたF1だが、世界経済の低迷が落とす影は濃く、その枠組みの維持さえ危うくなってきた。
マルシャ「存続不可能」
マルシャは2012年からF1に参戦したロシア国籍のチーム。チーム順位は、12年、13年ともにケータハムと最下位(全11チーム)争いを演じ、12年が11位、13年が10位だった。今季は第16戦のロシアGPまで9位と健闘していたが、10月に運営権が管財人に移され、第17戦の米国GPから欠場を余儀なくされていた。管財人は7日、「実務面、資金面ともに企業として存続していくことが不可能になった」と発表。チームを解散し、約200人のスタッフも解雇することを明らかにした。