第3回を迎える「なら国際映画祭」(9月12~15日)。今年は奈良県新公会堂(奈良市春日野町)の玄関口をレッドカーペットにしつらえ、世界からのお客様をお迎えした。秋晴れの澄み渡った青い空のもと、真っ赤なレッドカーペットが映えていた。奈良公園の青い芝。公会堂の屋根の向こうには若草山。左を向けば東大寺本殿の黄金の鴟尾(しび)が、右を向けば春日大社の森が覆う神聖な空間が広がる敷地で、まだ生まれたての新しい祭典を執り行うことができたのも、地元の皆様のご理解と奈良の持つおもてなしの心の表れだろうと感謝の気持ちでいっぱいだ。
こうした思いを代弁するように、今年の映画祭を振り返ってみると、2年前のそれよりも大層好評でお褒めの言葉をいただいている。こうして続けてゆく新しい祭典が奈良の歴史のように1000年続いてゆきますように。そんな思いを込めて、4日間の会期を振り返りたいと思う。
「命」に思い巡らせ
前夜祭を世界遺産「元興寺」(奈良市中院町)の境内で開催できたことで、この映画祭がいかにユニークで、よそにないものであるかをアピールできたと思っている。