ニホンウナギの資源保護策を協議していた日本、中国、台湾、韓国の4カ国・地域は17日、養殖池に入れる稚魚の量(池入れ量)を制限することで合意した。今年11月から1年間の池入れ量を、前年比で2割削減する。シラスウナギと呼ばれる稚魚の乱獲を防ぐのが狙いで、ニホンウナギの資源管理に関する初の国際的な枠組みとなる。
東京都内で16日から開いていた4カ国・地域による国際会合で合意内容を柱とする共同声明をまとめた。議長を務めた農林水産省の宮原正典顧問は会合後の会見で「ウナギの資源保存・管理の第一歩。これを実施しながら改善して(養殖の)生産自体を管理できる仕組みに発展させなければならない」と強調した。
4カ国・地域は来年11月以降の池入れ量については稚魚の捕獲量などを踏まえて決定することでも合意。ニホンウナギ以外のウナギの稚魚も、池入れ量を過去3年間の水準より増やさないようにする。資源管理を効果的に実施するために、国際的な管理組織を設置することでも一致した。
今回の合意内容は「自主的な取り組みの域を出ない」(宮原氏)ことから、法的な拘束力のある枠組みも検討する。