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型にはめず、意外性のある物語を渇望している 映画「ヴィクとフロ 熊に会う」 ドゥニ・コテ監督に聞く (1/3ページ)

2014.8.15 12:25

「全編が黒でも、白でもなく、ドラマですらない、灰色の陰影が覆っているんだ」と自作を紹介するドゥニ・コテ監督=2013年11月4日(アルシネテラン提供)

「全編が黒でも、白でもなく、ドラマですらない、灰色の陰影が覆っているんだ」と自作を紹介するドゥニ・コテ監督=2013年11月4日(アルシネテラン提供)【拡大】

  • 映画「ヴィクとフロ_熊に会う」(ドゥニ・コテ監督)。8月17日公開(アルシネテラン提供)。(C)9265-2775_QC_INC.2013

 各地の国際映画祭を盛り上げる注目すべきカナダの映画監督といえば、ドゥニ・コテ(40)もその一人。2013年ベルリン国際映画祭では、コテ監督の新作ドラマ「ヴィクとフロ 熊に会う」が「新たな視点」をもたらした作品に贈られるアルフレッド・バウアー賞(銀熊賞の一部)に輝いたのを記憶する映画ファンもいるだろう。

 通常のドラマを強調

 物語は文字通りどこか毛色の違ったもので、刑務所で知り合い、老境に差し掛かった元囚人の女性同士の恋愛模様が丁寧に描かれている。脚本も執筆したコテ監督はSANKEI EXPRESSのメール取材に対し、「僕はひねりの利いたユーモアの持ち主だし、社会にも関心を持っているよ。だからか僕の映画は自伝的経験に基づくものとはならない。僕は型にはめず、意外性のある物語を渇望しているんだ」と声を大にした。

 気がつけば60代となっていた元囚人のヴィクトリア(ピエレット・ロビテーユ)。再びまともな人生を取り戻そうと、保護司ギョーム(マルク=アンドレ・グロンダン)の保護のもと、田舎にある砂糖小屋で、刑務所時代の仲間で恋愛関係にあったフロレンス(ロマーヌ・ボーランジェ)と一緒に暮らし始めた。だが集落の人々は2人の出現に違和感を示し…。

たまたま激しく愛し合うようになった2人の物語にすぎない

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