2014.8.11 17:30
≪難解なテーマをわかりやすく説明≫
不可能を実現へ
見えなくなってしまった目、うまく拍動しなくなった心臓、脊髄損傷で動かなくなった手足……回復不能なまでにダメージを受けた体の一部を人工的に再生しようという「再生医療」。人体を作るなんて人間ができることではないと思われてきたが、人体のほぼどんな細胞にでもなりうる「幹細胞」の研究が、それを現実のものとしようとしている。
言うまでもなく、この分野は日本人研究者の存在感が強い。iPS細胞の山中伸弥教授のノーベル賞受賞は記憶に新しいし、まったく新しい万能細胞といわれたSTAP細胞の論文不正は日本のみならず国際的な学術誌を巻き込んだ大騒動となった。
しかし、医学や科学の知識がない人間としては、再生医療のすばらしい可能性には期待するものの、幹細胞やES細胞、iPS細胞などがそれぞれどういうものなのか、わかっているようで実はよくわからない。話題になった当時は理解していても、それらの研究が今どこまで進んでいるのかまで気にしている人はごくわずかだろう。