【牧野直子の健康ごはん】
今夏の丑の日は7月29日。丑の日といえばうなぎを食すのが習慣です。諸説ありますが、江戸時代、うなぎ屋が夏になると暑くてうなぎが売れなくて困ると学者の平賀源内に相談したところ、源内が「丑の日には、(暑気払いに)うなぎを食べよう」と張り紙をしたら、うなぎが飛ぶように売れたという話が有力です。
栄養面からみると、うなぎは高タンパク・高脂質で高エネルギー。かば焼き100グラム(一串分)は293kcalあり、同量の牛サーロイン(輸入牛)の298kcalとほぼ同じエネルギーです。ダイエット中の人には敬遠されがちですが、暑い夏、食欲がなくても少量でエネルギーを補えるという点では、どちらも夏バテ予防におすすめの食材といえます。
さらに、うなぎはエネルギーを産み出すために必要なビタミンB1、B2が豊富。ビタミンB1はごはんや麺などに多く含まれ、私たちの体や脳のエネルギー源として欠かせない糖質をエネルギーに換えるのに不可欠な栄養素です。ビタミンB2は、脂質をエネルギーに換えるのになくてはならないビタミンです。つまり、丑の日に食す「うな重」は夏バテの予防と解消のための理にかなった一品というわけです。