恒例、真夏のフェスタ
毎年、8月下旬に東京・渋谷の白寿ホールで行われる「Hakuju ギター・フェスタ」が、今年で9回目を迎える。荘村清志、福田進一という重鎮が豊富な経験から立てた企画と充実した演奏が好評で、このフェスティバルはギター界はもちろん音楽界の夏の風物詩になりつつある。牽引(けんいん)するのは彼らの次世代のギタリストたちで、その一人、鈴木大介は欠かせない存在になっている。
「世界にさまざまなギターのフェスティバルがあって、全部、見たわけではないのですが、一番、間口が広く、このフェスタは、どんなふうにでも広がっていける可能性があると思います。荘村、福田という両巨匠の演奏の魅力はもちろん、自分たちが知っている良いものを紹介し、また、それまでになかったものは屈託なく迎え入れる。委嘱作の顔ぶれも権代敦彦、ファジル・サイ、渡辺香津美、久石譲と多様で、それが大きな魅力だと思います」と鈴木は話す。
鈴木は1970年、横浜生まれ。ギターを市村員章、福田らに師事し、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に留学。斬新なレパートリーと新鮮な解釈によるアルバムも高い評価を受けている。