【尼さんの徒然説法】
山も田んぼも美しい緑に彩られる季節になりました。初夏の風は新緑の間を通り、爽やかな香りを運んでくれます。「風は塵埃(じんあい)を払うを以(もっ)て行と為(な)し」との日蓮聖人のお言葉がございますが、本当に心の中のちりやほこりまで払ってくれるかのようです。皐月(さつき)の風には不思議な清らかさがあるように思います。
原因は「自由主義」
内閣府のホームページの「平成24年版高齢社会白書」に「高齢者のいる世帯は約4割。そのうち単独、夫婦のみ世帯が過半数」とありました。子供との同居が減る一方で、一人暮らしや老夫婦のみで暮らされる人が増えています。しかし高齢者にとって配偶者や子供が心の支えとなっている人は多いそうです。年を取れば自分の思い通りに手足が動かず、転んだり病気になることも多くなります。そのような高齢者が単独、または老夫婦のみで暮らすことに不安を持つ人は少なくありません。なぜ子供がいても、子供が支えと思っていても一緒に暮らせないような世の中になってしまったのでしょう。