【国際情勢分析】
4月9日に投開票されたインドネシア総選挙(一院制、定数560)は、最大野党の闘争民主党(PDIP)が勝利し、今年7月実施の大統領選を経て、10年ぶりに政権を奪還する見通しが強まった。しかし、闘争民主党の得票率は事前の想定より大幅に低く、次期政権もユドヨノ現政権と同様、利害の対立する複数政党による連立政権となり、停滞が目立つ経済の再生などに向けた強力な指導力を期待できないのでは、との懸念が早くも広がりつつある。
「大番狂わせ」の総選挙
インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポストは4月11日付の社説で、闘争民主党の勝利について、「(野党時代の)10年間の忍耐と党勢立て直しが実を結んだ」と評価し、「有権者は改革の推進や、国民福祉と国益の増進を求めている」と期待を表明した。
だが、国民的人気の高いジョコ・ウィドド・ジャカルタ特別州知事(52)を大統領候補に立てて選挙戦を展開した闘争民主党の得票率は、事前に予想された25~30%を大きく下回る19%(非公式集計)にとどまった。