台湾が中国と調印したサービス貿易協定に反発して立法院(国会に相当)議場を占拠していた台湾の学生らが4月10日夜、「一定の成果が得られた」として議場からの退去を完了した。3月18日から続いていた混乱は発生から3週間余りで正常化に向かったが、学生らは今後も、中国との協定を「非民主的な手続きで決まった、台湾に不利な協定」として警戒を続けていく構えだ。
「次は総統府」
王金平立法院長(73)=国会議長に相当=が(4月)6日、「両岸(中台)協議を監視する法案が成立するまで協定を再審議しない」と譲歩して退去が決まった。学生らは10日夜、“勝利宣言”となる人民議会意見書を議場内で発表。ただ、馬英九総統(63)が、中台協定監視法の制定前に協定審議を再開させるとの警戒感は強く、学生らの間には「次は総統府を包囲する」との強硬論もある。
学生らは馬総統が主席の与党、中国国民党が協定審議の打ち切りを決め、強行採決の構えを見せたことに反発して議場占拠を続けてきた。統一を目指す中国に対する警戒感から、政権を強く批判してきた。