【本の話をしよう】
夢のタッグが実現-。ドラマ化もされた大ヒットコミック『花のズボラ飯』『孤独のグルメ』などの原作者として知られる久住昌之さん(55)のエッセー『野武士のグルメ』が、『極道めし』など、食の表現の新境地を切り開き続けるマンガ家、土山しげるさん(64)の手でコミック化された。ページを繰ればおなかが鳴ること必至のグルメコミックだ。
定年退職後に…
主人公は定年退職した元サラリーマン、香住武。平日の昼下がり、キーンと冷えたビールとともに、ひとり焼きそばをすする。「これがしたかったんだ…」。これが香住の食をめぐる“冒険”の始まりだった。これからは、堂々と、ぶっきらぼうに、誰にも遠慮せず食と対峙(たいじ)するのだ。そう、野武士のように-。
原作のエッセーは、久住さんが食のあれこれについてつぶやくようにつづられたもの。「香住武」というキャラクターは、コミック化にあたって初めて登場した。その狙いを、土山さんはこう説明する。