ロンドンで失業した時計職人のフレッド(コルム・ミーニイ)は故郷アイルランドのダブリンに戻ってはみたものの、職もなければ住む家もない。フレッドはぼろい愛車を“マイホーム”に移動生活を送るホームレスとなってしまった。そんなある日、偶然知り合った未亡人のピアノ教師、ジュールス(ミルカ・アフロス)に一目ぼれ。気のいいホームレス仲間の青年、カハル(コリン・モーガン)の後押しもあり、彼女が通っている水泳教室に参加するが…。
アイルランドのテレビ局でドキュメンタリー番組を制作してきたダラ・バーン監督の長編劇映画デビュー作。いずれの登場人物も、自分の人生にどこか自信が持てず、後悔したり、それでいて何も手を打たないでいる。SANKEI EXPRESSのメール取材に応じた監督は「彼らのような状況になったときに備えて、どんな心構えを持てばいいのか。そこを描きたかった」と説明した。