ピアノやバイオリンのソリストの華麗な演奏が際立つ協奏曲は、クラシックの華といえる。モーストリー・クラシック5月号は「名曲名盤名演奏家対決 協奏曲編」を特集している。
ソリストとオーケストラのやりとりの面白さや、ソリストの技巧などを聴かせる協奏曲の醍醐味を味わわせてくれる一枚が、先月リリースされたアルゲリッチのモーツァルト。
現役ピアニストの最高峰に立つアルゲリッチと1月に亡くなった巨匠アバドと、楽壇を代表する2人が約10年ぶりに共演、モーツァルト管弦楽団でモーツァルトの協奏曲第20番、第25番をライブ録音した。
ドラマチックで華やか、非常に美しい旋律を持つピアノ協奏曲第20番などの演奏について音楽評論家の岡本稔氏は、「至芸と呼ぶにふさわしい演奏。天衣無縫に飛翔するピアノとアバドの指揮するオーケストラが絶妙な対話を交わし、音楽する喜びにあふれている」と評している。