【美のカリスマ IKKOのちょっといい話 聞きたい?】
この連載を読んでくださっているみなさんから、「衣装がステキですね」というメッセージをいただきました。ありがとうございます。私の衣装はほとんどが自前。「これぞ」と思ったものだけを選んでいます。私がファッションにこだわるのは、「紙一重の人生」を生きてきたから。今日はそれについてお話しさせてください。
本物を極める決意
私はもともと女性として生まれてきたわけではありません。女性は普通のお洋服を着てもそのままで自然だけれど、私の場合は、ほんのちょっとバランスを間違えるだけで、滑稽に映ってしまいます。だからこそ、私は最高級の衣装を選び、身にまとうようにしています。
これは若い頃のある経験が原点になっています。20代の頃、服装はまだ女性のものではありませんでしたけれど、顔はメークをして美容室に出ていました。すると、周りから「お前のは場末のメークだ」と言われたのです。愕然(がくぜん)としましたが、そのとき私は決意しました。「最高級のものを知り尽くして、とにかく本物を極めていこう」と。ですので、私は着る物については、デザインはもちろん、素材から縫製、カットラインまでを知った上で、一流のものだけを選ぶようにしています。