戦闘機「零戦」の設計者である堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で航空機の製作に情熱を燃やす青年を描いた「風立ちぬ」。宮崎監督は昨年(2013年)9月に、この作品を最後に長編アニメから引退すると表明。日本では昨年公開された映画の中で興収1位の120億円を稼ぎ出した。
映画業界誌ハリウッド・リポーター(電子版)によると、米国では今月(2月)21日から21の映画館で限定上映され、興収は計30万6000ドル(約3000万円)で、1館当たりでは1万4571ドルと全米で2位だった。2月28日からは全米450の映画館で公開される。
審査員の心理に訴え
米国内の映画評論家の評価も高い。欧米の主要新聞・雑誌に掲載された映画評を集計する専門サイト「ロッテントマト」によると、肯定的評価が88%を占めた。
これは米国で昨年(2013年)11月に公開され、これまでに全世界で約9億8000万ドルを稼ぎ出し、ディズニーのアニメ映画として過去最大のヒットを記録中の「アナと雪の女王」の89%と、ほぼ互角だ。今年度のアカデミー賞作品賞の有力候補である「それでも夜は明ける」の96%や、「アメリカン・ハッスル」の93%と比べても遜色のない高評価を得ている。