3月2日に授賞式が行われる米アカデミー賞の長編アニメ賞にノミネートされている宮崎駿監督(73)の引退作品「風立ちぬ」が、米国で高い評価を受けている。「The Wind Rises」の題名で今月(2月)28日から全米公開されるのを前に、先週末に行われた限定上映では1館当たり興行収入で全米2位の好成績を記録。欧米メディアは宮崎監督からの「最後の贈り物」と称賛し、引退を惜しんでいる。賞レースは、米ディズニーの「アナと雪の女王」との一騎打ちの様相だ。2001年の「千と千尋の神隠し」以来2度目の受賞はなるのか、その行方が注目される。
1館当たり興収2位
「映画監督としての宮崎氏の贈り物は、ゆっくりとした時間の経過、静けさや沈黙を最大限に生かして描く手法だ。それは現代の映画が嘆かわしくも失ってしまったものだ」
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は2月19日付で「宮崎駿監督の叙情的な告別」と題した記事を掲載。スピード感を重視した現代映画と一線を画す作品について論評した。