「これぞ浅田真央」という渾身の演技を見せ、最後のポーズを決めると、あふれ出る涙が止まらなかった。ソチ冬季五輪第14日の2月20日(日本時間21日未明)、フィギュアスケート女子のフリーが行われ、前日のショートプログラム(SP)で16位と出遅れた浅田真央(23)=中京大=は驚異的な追い上げを見せ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させるなどフリーで自己最高となる142.71点をマーク。フリー3位となり、合計198.22点で6位に順位を上げた。
鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=は前回と同じ8位入賞。村上佳菜子(19)=中京大=は12位。アデリナ・ソトニコワ(17)=ロシア=が世界歴代最高に迫る149.95点をマークし、合計224.59点でSP2位から逆転優勝を果たした。SP首位の金妍児(キム・ヨナ、23)=韓国=は2位に終わり、史上3人目の連覇はならなかった。
完璧な3回転半
こみ上げる感情を抑えることができなかった。浅田は演技を終えた直後から止まらなくなった涙を何度もぬぐった。前夜の悔し涙ではない。そして、観客席に一礼する時に必死に浮かべた笑顔は万感の思いにあふれていた。