伝統の殻を破る革新者。和のリズムにロックなど他流も取り入れバチを振るい、荒ぶる音で観客を鼓舞する-。和太鼓演奏によるエンターテインメント集団「TAO(タオ)」が結成20周年を記念した新作舞台「DRUM ROCK ~十七人のサムライ~」をひっさげ、名古屋、大阪、東京の3都市で上演する。
TAOの結成は1993年。「音響や照明でショーアップしたエンターテインメント性の高い舞台作品を目指しました」と初期からのメンバ-、水藤義徳(すいとう・よしのり、40)は言う。そのためTAOのオリジナル楽曲は、祭りばやしや民謡など和太鼓のオーソドックスなリズムを斬新に変革。洋楽ロックや民族音楽などの要素を取り入れた。また鍛え上げた肉体でアクロバットや演舞なども繰り広げ、和太鼓の新たな表現領域を開拓してきた。
全員でイメージ共有
和太鼓が刻むのは、リズムであって、メロディーはない。一見、音の表現は限られている。「だからこそ、演者がどれだけ気持ちを込めて音に変換するかが大切。チーム全員で一つのイメージを共有して演じなければ、見る(聴く)人には伝わらない」と水藤。