現在約5万4000人を収容できる国立競技場は、東京五輪以降も、サッカーJリーグの開幕ゲーム(1993年5月)や世界のスーパースターが集まるトヨタカップの決勝戦、ラグビー日本選手権のほか、年に一度のSMAPや嵐など人気アイドルグループのコンサートも行われ、スポーツとエンタメの「聖地」としての役割を担ってきた。
≪工事目前 残るチャンスは10回≫
聖火は各イベントの主催者の要請があったときのみ点火され、昨年(2013年)は20回程度点火された。今年の聖火の点灯は、元日のサッカー天皇杯決勝で始まったが、2020年夏季五輪・パラリンピックに向けて、7月1日から国立競技場の解体工事が始まるため、残り10回程度の点火とみられる。
文部科学省は聖火台と東京五輪の金メダリストの国名と名前を刻んだ銘盤などの「五輪遺産」の保存を決定。国立競技場を運営する日本スポーツ振興センターが保存のための検討委員会を開いて具体的な保存方法を決めるという。
最後の聖火点火はいつになるのか。現在、ラストイベントについては調整中だ。新国立競技場が完成する2019年まで、聖火台は川口市などゆかりのある市町村に貸し出すことも検討されているという。
2度目の東京五輪も、この地で生まれ変わる新国立競技場がメーンスタジアムとなる。スポーツの「聖地」で新たな歴史が始まる。(写真・文:写真報道局 鈴木健児/SANKEI EXPRESS)